- ～丹碧の乱～
- ～千紫万紅の乱～
様々な種族が存在する、遙か古の世界――。
種族同士の争いが絶えず、世界は混沌を極めていた。
人間族の族長・蒼生は種族が共存できる世界を目指し、
他種族との同盟の輪を広げていた。
共によりよい世界をつくることを夢見た、かつての友を思いながら――。
時を同じくして、
鬼族の族長・紅蓮は鬼こそが最強であるという強い思想の元、
他種族を力で制圧し、鬼による支配を進めていた。
かつての母との誓いを果たすために――。
人間族、鬼族、それぞれが異なる世界を目指す中、
獣人族は“怪物”となり果てたかつての仲間を救うため、日々狩りに明け暮れていた。
獣人族の族長・縁は必ずや仲間の仇を討つと心に誓い、その時を今か今かと待っている。
かつての悲劇から他種族との一切の関係を断っていた竜人族は、
山奥でひっそりと暮らし、独自の風習や規律を重んじた生活を送っていた。
そんな竜人族の元にある日突然、鬼族が攻め入ってきたことで、
竜人族の族長・劉爽は苦渋の決断を迫られることになる――。
人間族、鬼族、竜人族、獣人族、
それぞれの因縁が激しくぶつかり合い、
そしてかつての友が再び刃を交える
『丹碧の乱』が今、幕を開ける――。
「丹碧の乱」より時を遡ること十数年前――。
人間族と鬼族が手を取り合い作り上げ、
最強と謳われた種族・鬼人族が圧倒的な力を誇っていた時代。
鬼人族は族長・紫耀英の指揮の元、次々に他種族を支配下に置き、
鬼人族による天下統一も夢ではないと思われていた。
しかしその裏では、
鬼人族内で人間族側と鬼族側での世継ぎ争いが度々火種となり対立が絶えず、
不安定な状態が続いてた。
人間族側の後継者候補・蒼生と鬼族側の後継者候補・紅蓮は
幼いころから切磋琢磨し合い育った良き友であった。
ふたりならこの世界をより良いものにできると、そう信じていた。
時を同じくして竜人族では、
竜の姿で暴走してしまう『狂竜病』により数が激減、竜人族の存在をも脅かしていた。
そこで竜人族の族長・劉帆は、大きな力を持つ鬼人族に救いの手を求めることに――。
これを機に竜人族を味方につけようと、
高い医療技術を誇る人間族が竜人族への支援を表明。
『狂竜病』の治療薬の研究を進めていく。
人間族に竜人族の力が加わることを恐れた鬼族は、
身体能力は高いものの文明が発達しておらず短命である獣人族への援助を行い、
味方につけることに。
鬼族に恩義を感じた獣人族の族長・結は、鬼族に義理を果たすことを誓う。
その裏で、鬼族のある思惑が渦巻いているとも知らずに――。
人間族と竜人族、鬼族と獣人族、種族同士の均衡が崩れ始めたことをきっかけに、
人間族と鬼族の対立はさらに激しさを増していく。
そして、竜人族と獣人族をも巻き込んだ、大きな争いを生むこととなる――。
